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大相続時代における「住まいの終活」

年々、基礎控除額など相続税の諸条件が厳格化される傾向にあり、住宅業界では至るところで相続セミナーが開催されています。そんな中、相続、贈与、住まいの利活用等を含めた「住まいの終活」という概念、価値観が注目されつつあります。「老いた家、衰えぬ街 住まいを終活する(講談社現代新書)」で提唱されている活動で、端的に言うと、「高齢者世帯が居住する住宅を次の担い手にしっかり渡していこう」という取り組みです。


戸建リノベーション事業を展開する会社が、ご依頼いただく案件の中で最も多いのが30代~40代の世帯が夫婦いずれかの実家をリノベーションし、親世帯と同居する「実家リノベーション」です。全案件のうち6割が「実家リノベーション」という例も珍しくありません。以前なら、二世帯住宅に建て替えてしまうパターンだと思いますが、経済的な理由であったり、古いものを活かす、建てた人の想いや自分たちが住んだ思い出を受け継ぐという価値観が浸透してきたりという背景があり「実家リノベーション」が増えているのです。


一方で、空き家率の上昇が社会問題化している中、人口動態のボリュームゾーンである70代の親世帯が、生前に自宅をどう利活用するか考えておくことは、大きなテーマの一つになってきています。駅から離れた流通しにくい住宅の場合はなおさら簡単にはいきません。

子世帯、親世帯、いずれにとっても「住まいの終活」は共通テーマであり、一過性のものではなく、今後も益々注目されていくでしょう。


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