娘さんが幼少のころから結婚するまでの回想シーン。「この家には思い出が息づいている、大切に残したいものがあるから」「思い出はつながる」というナレーション。これは実家リノベーションを訴求する大手リフォーム会社のCMです。
デザイン的なことではなく、耐震・断熱など性能向上だけでもない、「思い出と想いがリノベーションでよみがえり、つながる」という構成です。
家族の思い出や想いに寄り添いながら進めていく取り組みは工務店さんとの親和性が高く、存在意義に通じるものがあると改めて感じます。
3年ほど前に複数の会社から直近の1500万円級リノベーションを40件ほどリストアップし、内容を確認したところ、約4割にあたる18件は実家の二世帯リノベーションでした。ほぼ同時期にモデル企業を数社ヒアリングしたところ、6割以上が実家の二世帯リノベーションという例も珍しくありませんでした。
人口動態からも理にかなっていて、団塊世代と団塊ジュニア世代はボリュームゾーンにあり、この組み合わせが圧倒的に多いのが現状です。
子世帯にはWEBアプローチ、親世帯には紙媒体アプローチというかたちを取り、時には中長期化することもありながらも、世代間の思いの調整やリノベと新築に対するプロ視点の比較アドバイス、間取り提案などを通じて、寄り添いながら成約につながっています。
今後もフルリノベーションの顧客像として、「実家リノベーション」は増えそうな勢いです。ぜひ、意識して取り組んでいただきたいと思います。
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